生きる意味 | 西田書店~本屋には新しい人生が転がっている~

生きる意味

東京工業大学で授業アワードを獲った

上田紀行氏の数年前の著作。

「生きる意味」(岩波新書)


小泉元首相が進めた「構造改革」。
聞こえはいいが、弱者切り捨て、格差の増大を是とする、
アメリカ型社会へのテイクオフだった。

生活が苦しいあなたは、努力が足りないんだ。
もっと自分を効率化させて、
いっぱい働けて稼げる職場にいかないとダメだ。

効率と経済成長。
日本が長い間求めていた「幸せ」のカタチ。
経済が成長すれば、
給料が増えれば、幸せになれると誰もが信じていた。

いったい誰が幸せになったというのか。
経済成長はことごとく「つながり」を切り離し、
不安であふれる社会を作った。

でも。
それでも。
それなのに。
我が日本は経済成長を目指すというのか?

政治のムダをなくし、
効率化させれば、ふたたび経済成長が
やってきて幸せになれるというのか?

まさに、経済成長教という新興宗教に
完全にハマってしまった人たちが見える。
まだ、高度経済成長の夢が捨てきれずに
構造改革によって経済の発展を目指す。

そこに幸せなんかない。
つながっていること、それこそが幸せなのだから。
切れてしまった「つながり」をつなぎなおす。
切れかけている「つながり」をつなぎとめておく。

それこそがいま、必要なことなのではないか。


生きる意味 (岩波新書)/上田 紀行
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